オフィスの電気代を節約することは、CO2削減につながる環境に優しい取り組みの1つとして、企業のCSR活動にもなります。SDGsを意識した取り組みにチャレンジする企業にとって、手軽に始められるものとしておすすめです。
今回は手軽に試せる6つの電気代削減方法をご紹介します。
【オフィスの電気代の内訳】一番お金がかかるのはどこ?
オフィスの電気代を削減するためには、まず「何に多くの電力が消費されているのか」を知ることが肝心です。
資源エネルギー庁の推計によると、オフィスのエネルギー消費の内訳は以下の通りです。
出典元:資源エネルギー庁 資料( https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001o9by-att/2r9852000001oa3e.pdf)
ご覧の通り、オフィスで最も電力を消費しているのは「空調」で48%にもなります。次に照明(24%)、パソコン、コピー機を含めたOA機器(16%)となっています。
よってオフィスビルの消費電力を抑え、電気代を削減するには「空調・照明・OA機器」の電力の使用を見直すと効果的であることがわかります。
ここでは消費電力の割合の高い、照明費と空調費の削減方法をご紹介します。※以下、節約できる消費電力の割合は、厚生労働省の「節電行動計画」をもとに記載しています。
照明と空調の電気代節約方法6選
①照明をLEDに変える
LED照明は、少ない電力で明るさを維持できる省エネ効果が高いものです。厚生労働省の「節電行動計画」によれば、従来の蛍光灯を直管形LED照明に交換した場合、消費電力量を約40%削減できるといいます。また、LED照明は長寿命のため、照明の交換頻度が減ることで交換費用も節約できます。
今使っている照明をLED照明に変えるだけ、という手軽さから非常におすすめできる方法です。
②使用していないエリアの消灯を徹底する
オフィス内で使用していない会議室などの消灯を心がけましょう。 最近ではリモートワークを推奨している企業が増えており、オフィスに出社している従業員が減っているため、使用していない会議室や部屋も多々あるはずです。消灯を心がけることで、建物全体の消費電力の約3%を節約できるといわれています。
③照明を間引きする
業務に支障が出ない程度に、電球や蛍光灯の本数を減らして消費電力量を節約する方法です。照明を半分程度間引きした場合、建物全体の節電効果は約13%です。
よくオフィス内で見かける間引きのやり方は、廊下などで間隔を開けて間引きするといったものです。
ただし、安定器がついているタイプの照明では、節電効果が得られないため注意が必要です。オフィスで使用している蛍光灯の種類や点灯方式を確認しましょう。
④空調の設定温度をある程度一定に保つ
労働安全衛生法の「事務所衛生基準規則」によると、室内の気温は17度以上28度以下が推奨されています。空調の消費電力量を節約するのであれば、「夏は28℃、冬は20℃」が目安と言われています。
必ずしもこの設定にすることが好ましいというわけではありませんが、外気やオフィスの環境を考慮しながらある程度の設定温度を保つことで、電気代を削減することが可能です。建物全体の節電効果は約4%と言われています。
また、アメリカの研究結果では、室温を含め、オフィス環境を適正に保つことで、従業員の生産性が0.5~5%向上するとも言われています.
⑤ブラインドや遮熱フィルムを活用
太陽光は室内の温度を上げてしまうので、ブラインドや遮熱フィルム、カーテンなどの活用が有効です。夏場はエアコンをあまり使わなくても良い環境ができ、冬場は逆に暖かい空気を外に逃がさず暖房効果を高めることが可能です。手軽に取り入れられる対策なので、おすすめです。
ブラインドや遮熱フィルムの活用で、建物全体の消費電力を約3%削減する効果が期待できます。
⑥扇風機やサーキュレーターを活用する
扇風機やサーキュレーターを使って、空気の循環を良くすれば、季節を問わず空調効果を高めることができます。
冷房28℃で暑く感じたり、暖房20℃で寒く感じたりするのであれば、オフィスに扇風機やサーキュレーターを設置することで、快適な空間を維持しつつ、電気代の節約にもつながります。
建物全体で消費電力を抑えるソリューションの活用も
今回ご紹介した電気代の節約方法は、1つ1つは小さな積み重ねですが、年間では大きなコスト削減につながります。また、SDGsやCSRの取り組みが注目される中、各企業の環境問題へ取り組む姿勢は、もはや企業イメージに直結する重要な活動の1つとなっています。ぜひ、できることから実践してみてください。
冒頭でご紹介した通り、大きく電力コストを削減する方法は「空調」にあります。
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