進むホテルのスマート化
ビジネスホテルからラグジュアリーホテルまで多くのホテルにおいて人手不足や経費削減、非効率なオペレーションなど様々なヒト・モノ・カネの課題に悩まされています。
さらに、2020年以降は新型コロナウイルスの影響により、ホテル内での感染症対策の徹底も求められるようになりました。
そんな中、ホテルの課題を解決するためのDXソリューションやIoTソリューションが注目され始め、お客様対応や施設の管理そのものの「スマート化」を図るために導入を進めるホテルが増えています。
ホテルの課題に寄り添う最新サービス
スマートチェックイン
最近ではQRコードを利用したスマートチェックインシステムも増えています。飛行機のeチケットと同じ原理で、予約したお客様に予約完了の時点でQRコードを発行。お客様は事前に受け取ったQRコードをチェックインの際にフロントチェックイン機に読みこませるだけで、チェックインが完了します。チェックイン手続きを簡素化することで、お客様はストレスなくスピーディなチェックインが可能です。
ホテル側も人手不足によるスタッフ採用・教育コストの削減や、不要な接触を減らすことで感染リスクを軽減できるというメリットがあり、このようなシステムの導入を進めているホテルが増えています。
IPTVソリューション
IPTVソリューションは、ゲストルーム内に設置しているTVに導入することで、お客様が手軽に飲食のオーダーをしたり、ハウスキーパーへの依頼ができる仕組みです。お客様のスマホをリモコンとして利用でき、TVからエクスプレスチェックアウトも可能です。
客室制御システム
IoTを利用した客室制御システムを導入しているラグジュアリーホテルも近年増えてきており、外資系ホテルブランドは客室制御システムを入れることがスタンダード化され始めています。
照明やエアコン、カーテンの自動制御で大幅な省エネを実現したり、全部屋の在不在を可視化したり、ホテルシステムと連動して、オペレーションのDXを実現させています。
また、省エネだけの目的ではなく、シーンに合わせて照明、空調、シェードを自動制御し、お客様に最適なゲストルーム体験を提供することもできます。
ITやIoTを活用することで、ホスピタリティの質が落ちるという意見もあります。しかしこれからの時代、テクノロジーは間違いなく必要不可欠になり、今回取り上げた事例は今後の主流になっていくと予想されます。コロナ終息後のインバウンド需要を見据えて、ホテルのスマート化はますます広まっていくでしょう。