1. IoTができること
1 IoTとは?
IoTとは「Internet of Things」の略で、「モノのインターネット」を指す言葉です。あらゆるモノがインターネットにつながれ、モノの情報を収集できるだけでなく、モノ同士が相互に情報をやり取りすることができます。世の中のあらゆる事柄がデータとなることで、新たな付加価値を生み出す技術です。
現代社会において、スマホ・自動車・ビル・家電・ウェアラブル端末など、既に様々なものがネットワークにつながる時代になっています。IoT技術は、すべての人とモノがインターネットにつながる社会「Society5.0」の実現に向けて、大きな成長が期待されています。
(出典:内閣府)
2 IoTが企業にもたらす価値
IoTができることには、「モノの状態のデータ収集」「モノの遠隔操作・自動操作」「モノの動きの検知」「モノ同士のデータ共有」の4つが挙げられます。
IoT技術の強みは、ただモノを繋げるだけではなく、「モノのデータ収集」が可能である点です。
企業のデータ利用は進展するにつれて4つの段階を踏むとされており、①「データの収集・蓄積」、②「現状の可視化」、③「将来の予測」、④「効率化」の順に、徐々に大きな価値を創出するとされています。さらに、段階を踏む中で起きる業務プロセスの変化や新たな付加価値の創出により、ビジネスモデルが転換する場合もあります。
(参考・出典:総務省)
IoTは、環境変化・機械の稼働状況・人の動き・位置情報といったデータを収集し分析が可能なため、データ利用の4つの段階を通して、サービスの改善や効率化に役立てることができます。
企業にとって、IoTはあらゆるモノの情報を蓄積・可視化しビジネスに変革をもたらすツールでもあるのです。
では、実際に企業はどんな目的でIoTを導入しているのでしょうか。
総務省が実施した令和2年通信利用動向調査によると、 企業が導入したIoT・AIのサービスの種類は、監視カメラやセキュリティ機器、非接触型ICカードが多いそうです。ほかにも室内用センサーや、建物の消費エネルギーを管理するエネルギーマネジメントシステム等が挙げられています。
さらに同調査によると、企業がシステムを導入しデータを収集する目的として「効率化・業務改善」「顧客サービス向上」「事業の全体最適化」といった価値が挙げられています。
導入企業の約80%が「システムの導入による効果があった」と評価しており、IoT技術と収集したデータによって、企業が抱える課題を解決できる可能性が示されています。
「IoTによってどんな課題を解決したいのか」「そのためにはどんな情報を収集すべきか」を明確にし、目的に合った最適なシステムを導入することが重要です。
(参考・出典:総務省)
2. 簡単に導入できるIoT事例
では、実際にどんなIoTサービスがあるのでしょうか。
導入の目的別に、比較的手間なく導入できる事例を3つ紹介します。
1 効率化・業務改善
日立ソリューションズが提供するEnlighted社のIoTソリューションは、施設内の人とモノの情報をセンサーを用いて可視化することで施設の利便性と一括管理を最適化します。オフィスに利用することで、施設の使われ方や従業員の働き方を分析し、業務改善に活かすことができます。
2 顧客サービス向上
「VACAN」は、店・トイレ・ブース・部屋等のリアルタイムの混雑状況を可視化するサービスです。飲食店や商業施設だけでなく、オフィスビルの共有エリアや企業内の会議室予約にも活用でき、利用者の満足度向上につながります。
3 事業の全体最適化
「Canvas」はIoTデバイスのデータを位置情報と共にダッシュボードに表示することであらゆる現場状況を可視化するサービスです。センサーのデータ変化や作業のステータスの情報を一括管理し、現場の状況を一目で把握することができるため業務全体の効率向上や最適化に役立ちます。
3. IoTの今後
1 広がるIoT技術
IDC japanによると、2018年に228億台だったIoTデバイス数は、2025年には416億台にもなるとされ、関連するサービスは多くの分野で増え続けると予想されます。
(参考:IDC japan)
総務省の令和3年通信白書によると、現在のIoTデバイス数は通信分野に関連するものが最も多いです。しかし数年後には、デジタルヘルスケアの普及から「医療分野」、スマート家電などの「コンシューマ向け分野」、スマート工場が進む「工場・インフラ・物流分野」、コネクテッドカーなど「自動車・宇宙航空分野」において成長が予測されています。
社会のDX化が進むにつれIoTは多くの分野でデバイス数を増やし、さらにデバイス同士が繋がりあうことで、その影響力を大きくしていくと考えられるでしょう。
(出典:総務省)
2 5G・AIとIoT
IoT技術は、5GやAIといった異なる最先端技術と相互に組み合わせることで、さらに新たな価値を作り出していくことが期待されています。
5GとIoT
5Gの高速・大容量・低遅延・同時多数接続といった強みとIoTの組み合わせは、高い精度とリアルタイム性が求められる現場で活躍するといわれます。自動運転や遠隔医療、工場の生産現場などで期待されている技術です。
AIとIoT
IoTが収集した様々なモノのデータから、高精度なAIに必要なビッグデータに膨大な情報を提供することができます。農業分野では、AIとIoTを用いて天候変化や作物の病気を予測する「スマート農業」の取り組みが始まっています。
紹介したほかにも、ネットワークやセキュリティといった技術の進展に伴って、IoTは更に暮らしに身近な技術になっていくでしょう。
4. 最適なIoTの導入方法
ここまで、IoTが実現できることや、IoT技術の今後について紹介してきました。IoTは難しいものではなく、とても身近なソリューションです。自分の業務に活用できるところはないか、検討してみることをおすすめします。
「一体どんなサービスがふさわしいのかわからない」「自分の業務のどこに活用できるのか知りたい」
こういった悩みがある方は、是非「IoTコンサルティング」にお気軽に相談してみてください。IoTのプロがあなたの企業の課題や現状から最適なIoT導入を支援し、手間なく新たな価値を実現することができます。
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